【中学受験を考えた時に読む本】様々な立場からの見解をもとに多角的に中学受験を考えられる本

出産・育児・教育

親が地方出身のため首都圏の学校や受験の情報に疎く、中学受験について知りたいと思い読んだ中の一冊がこちらの本でした。中学受験に対する立ち位置の異なる5名の方の見解を読みながら自分の子供について考えることができる本ですので、まだ中学受験をするか決めていない方の参考になるのではないでしょうか。

中学受験を考えた時に読む本

プロフェッショナル5人と中学受験について考える本です。それぞれに中学受験に対する立ち位置が違うので、色々な角度からの意見を知ることができます。

中学受験の勉強を始めてしまうとひたすら頑張るという生活になるため、その前に自分の子供に本当に中学受験が必要か、するならば塾・サポート・志望校などをどうしていくかなど、事前に考える良い機会になるのではないでしょうか。

内容

編著者:矢萩邦彦さん

25年で1万5000人以上を直接指導した経験を持つ実践教育ジャーナリストのかたで、「探究×受験」を実践する学習塾「知窓学舎」の運営もされています。

矢萩さんが中学受験に対して様々な意見をお持ちの5人のプロフェッショナルとインタビュー形式で対談された内容がまとめられています。中学受験についての色々な意見を見ることができるので、中学受験について考え始めた時に参考になる本です。

中学受験の基本情報について知りたいときは「中学受験 基本のキ!」がとても参考になります。

本の内容

第1章 理想的な中学受験のために何が必要か

小川大介さん

受験国語の指導を25年されている方で、中学受験情報局「かしこい塾の使い方」の主任相談員をされています。教科の指導だけでなく、子育てコーチングや学習タイプ別の指導なども行なっています。

親子関係の築き方の指導にも定評がある方で、『中学受験基本のキ!』『もう悩まない中学受験』『親も子も幸せになれる初めての中学受験』などの著書もあります。

第1章の内容

各塾が実施する模擬テストの中でどういう子がどのテストを受ければ良いかの選び方、また具体的な志望校の選び方など中学受験をする場合に必要になる情報が書かれています。

保護者と子供の希望校がずれている時にどうするかのヒント、子供目線で学校を選ぶ意義とポイント、苦手な教科を理解させるコツなども書かれており参考になります。

また、塾に行く必要性や塾の選び方、予習・復習の方法、スポーツとの両立などの中学受験の基本的な知識についても知ることができます。

第2章 保護者のマネージメントの重要性

齋藤達也さん

趣味で始めた中学受験体験談のHPが話題になり、中学受験コンサルタントとして独立された方です。中学受験生やその保護者700名以上にアドバイスをされてこられました。

著書には我が子のやる気を引き出す方法などを書いた本などがあります。

第2章の内容

第2章で参考になったのが、普段の勉強において親ができるマネージメントの方法です。勉強が苦手だった親だけでなく、高校受験が初めての受験だった親や自分が勉強ができたタイプの親がやりがちな失敗なども書かれています。子供との向き合い方やできない時の声掛けの仕方など参考になります。

塾に行くかどうか、予習の仕方、おすすめの模擬テストについても書かれています。塾に通う際は塾の知名度だけでなくその中のどのクラスにいるかが重要だと言うことや、塾や学校との相性の重要性についても書かれています。

他の方も書かれていますが、全教科における国語力の重要性についてもお話しされています。

また、志望校については偏差値だけでなく過去問との相性も重要であること、後々子供が後悔しないためのポイントも書かれています。

第3章 中学受験で後悔しないために必要なこと

安浪京子さん

大手塾の算数講師を経てプロ家庭教師をされている方で、中学受験カウンセラーとしても活躍されています。

「親がやるべき受験サポート」「中学受験 女の子を伸ばす親の習慣」など様々な受験関連の著書があります。

第3章の内容

中学受験関連の著書が多くある安浪さんですが、必ずしも中学受験が必要なわけではないという立ち位置の方です。成熟度がしっかりしているなら中学受験をするのも良いし、まだなら高校受験でも十分だとおっしゃっています。

その子の向き・不向きや特性に応じた受験への向き合い方について書かれていて、他のことを極められる子なら後々勉強も極められるので、中学受験に固執する必要はないとおっしゃっています。一方で、中学受験をするなら本気でやらないとダメだともおっしゃっています。

子供の特性に応じたおすすめの塾、勉強における子供と親それぞれの役割などについて書かれています。

塾において先生との相性が重要なことや、塾の先生のハズレポイントの見極め方、国語力の重要性、志望校選びのポイントなどについても参考になります。

中学受験のメリットをあげ、それが本当にそうかと考えるという点は前のめりにならないためにも重要なことだと感じました。

第4章 「探求型学習」と中学受験

宝槻泰伸さん

高校を中退し京大に進学した異色の経歴をお持ちの方で、中高一貫校・公立・私立などが大学受験に影響はしないと言う立場の方です。

「好き」を強みにする生き方などの著書があります。

第4章の内容

中高一貫校に行くメリットとして、6年分の授業を5年間で終わらせ高校3年生の1年間を大学受験のための勉強に充てられるということがよく言われますが、それが果たしてメリットだけかという点についてお話をされています。

能力開発だけでなく興味開発が重要であることや、適合性だけでなく創造性も重要という点は特に面白かったです。ちゃんとするという「適合性」と自分らしくあれという「創造性」というものがあり、親はどうしても子供の将来を心配して「適合性」に偏りがちですが、「創造性」をどう大きくしてあげられるかが大切なんですね。

第5章 「探求=遊び」子供の探究心を育む方法

竹内薫さん

竹内さんはサイエンス作家ですが、教育にも力を入れられている方です。中学受験には賛成ではないという立場の方からも意見も参考になりますね。

中学受験とは関係ありませんが、AI時代の職業を考えるため本や科学の怖い話をまとめた本など面白い本も出されています。

第5章の内容

早い時期に受験して安定したいという気持ちから中学受験を勧められる方も多いと思いますが、竹内さんは早く安定するというパターンがその後の人生を必ずしもよくするとは限らないとの立ち位置です。

遊びや子供の自主性を大切にし、探究心を伸ばす方法について書かれています。

また、英語なども教えている中で改めて母国語の国語力が重要だと気づいたということで、母国語での思考力を伸ばす方法についても書かれています。

まとめ

「中学受験を考えた時に読む本」では、中学受験に対する様々な立ち位置のプロフェッショナルの方に編著者の方がインタビューする形でまとめられています。同じような内容についての質問もありますが、それぞれの方の見解が書かれているので多面的に見られるのではないかと思います。

中学受験とはという基本的な情報を知るというよりは、様々な立場の方の見解をもとに、自分の子供の中学受験や学習をどうするかについて考えられる本になっています。

中学受験について何も知らないので知りたいという方は「中学受験 基本のキ!」がとても参考になります。

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