親が地方出身だと首都圏の学校や受験の情報に疎く、何をどこで知れば良いかも検討がつかない状況ですよね。そんな方にとても参考になるのが、「中学受験 基本のキ!」という本です。実際に読んでみると、今まで部分的にあった知識がスーッと繋がるような感覚でとてもわかりやすかったです。受験の全体像を理解でき、その時その時でまた見返して参考にしたい本でした。
著者
中学受験基本のキ!は、西村則康さんと小川大介さんの共著です。
お二人とも受験の指導だけでなく、受験や勉強を通しての親子の関わり方にも重点を置かれている方々です。
西村則康さん
日本初の「塾ソムリエ」として、長年、難関中学・高校受験指導を行っている家庭教師で、開成・麻布・桜蔭、女子学院、灘などの最難関中学校に2,500人以上を合格させてきた実績を持つ方です。
受験を通じて親子の絆を強くするためのコミュニケーション術のアドバイスもされていて、「生活の延長線上の受験」という理想を掲げていらっしゃいます。
「中学受験 基本のキ!」の他にも中学受験関連の著書が多数あります。
小川大介さん
受験国語の指導を25年されている方で、中学受験情報局「かしこい塾の使い方」の主任相談員をされています。教科の指導だけでなく、子育てコーチングや学習タイプ別の指導なども行なっています。
親子関係の築き方の指導にも定評がある方で、『親も子も幸せになれる初めての中学受験』や『頭のいい子の親がやっている「見守る」子育て』などの著書もあります。
「中学受験 基本のキ!」の内容
「中学受験とは?」「何から知ればいいの?」など何も分からない状態の方でも基本情報が網羅されていて理解しやすい本です。
私自身読んでみてとても参考になった本だったのですが、実際に読むまでは内容が本当に自分の参考になるかはわかりにくいですよね。手に取る前にどんな内容が書いてあるかわかると読むかどうかの判断に役立つと思うので、「中学受験 基本のキ!」の内容についてご紹介したいと思います。
中学受験をさせるか?
必ずしも中学受験が大切と言っている本ではなく、中学受験をするかしないかの選択をするところから始まるのがとても良い点だと思います。
我が家も中学受験するとは決めていないのですが、中学受験をしてもしなくても参考になる内容が書かれています。
特に印象的だったのが、『負けず嫌いで「負けたくない」という気持ちを「学んでいく」気力に変えられるタイプの子』というところでした。娘は負けず嫌いですが、まだそれを学んでいく気力に変えるまでにはできていないところもあるので、徐々に成長していってくれればいいなと思います。
塾との付き合い方
大手塾の特性や、塾に入る段階でどの程度の学力があれば良いか、入塾時にやっておくべきことなどが書かれています。
一言に塾といってもそれぞれに特性があるため子供との相性もあることなど、こちらの本に載っている塾以外の塾でも塾を選ぶ際の参考になるような内容が書かれています。
学年や時期に応じた塾と家庭での学習方法
基本的には中学受験の勉強は4年生から本格的に始まるということで、塾がある日とない日、休日の家庭での過ごし方、塾のテストに向けての話、各学年・各時期での塾の勉強の仕方などについて書いてあります。各時期に応じた過ごし方のイメージがしやすくとても参考になります。
塾の夏期講習や冬季講習については闇雲に受ければ良いというわけではないそうで、受講するか否かの判断基準も書かれており、ただ労力だけを費やせば良いというより効果的な方法のヒントが載っています。
志望校を決めるタイミングや、決め方、併願校の選び方などは、こちらに書かれている学校はもちろんのこと、他の学校を選ぶ時にも参考にしたい内容が満載です。
親の心の持ち方やサポートの仕方にも要所要所で触れられており、受験直前の過ごし方や親としてのサポートなど、その時になったらまた読み返したいなと思う内容です。
4年生からの情報だけでなく、読書感想文、日記、自由研究など夏休みの宿題のポイント、4年生に向けてのことなど、1〜3年生の頃の家庭での過ごし方についても書いてあります。
男女御三家と早慶付属校の問題の傾向
地方出身で東大に入るまで「御三家」という言葉を知らなかった私ですが、こちらの本には御三家の特徴や受験問題の傾向がまとめてあります。
御三家を受けないまでも、学校を選ぶ時のポイントや試験問題の傾向でどういうところにポイントを置いて見れば良いかの参考になります。
有名な学校と併願する場合のおすすめ併願パターンも書かれているので、受験をすることになったら細かく読んでみたいですね。
まとめ
「中学受験 基本のキ!」を読むと、中学受験やそこに向けての全体像を知ることができます。中学受験の知識があまりない地方出身の親としては、今まで部分的にあった知識が線で繋がる感じでとてもわかりやすかったです。
最後のエピローグでも「全部を頭に入れて頑張ろうとはしないでください。それよりも、中学受験が完了するまでの日々、この本を手元に置いて、必要な時に必要なページだけを開くようにしてください」と書いてあるように、各学年の各時期にどう過ごせば良いかも書いてあるので、その時その時で参考にしたい本です。
当日の送り出し方やもし落ちてしまった時の対応の仕方の参考、受かった時もそれで終わりとしない前向きな声の掛け方なども印象的でした。
内容は主に有名塾を利用した中学受験に向けての家庭での過ごし方などですが、こちらに載っていない塾を利用する場合や違う学校を受験する場合、さらには中学受験をしない場合でも参考になる本です。
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