ニューヨークに来て驚いたことの1つに家庭の多様性があります。日本に暮らしていても離婚していたりシングルだったりするご家庭はもちろんありますが、あまり多くはないですよね。ニューヨークではいろいろな家庭があり、みなさんオープンなのがとても興味深いです。
日本の家庭とアメリカの家庭
厚生労働省の2017年と2016年のデータをもとにした統計資料によると、離婚率は日本が1000人あたり1.57人、アメリカが1000人あたり2.7人となっています。このデータだけ見るとアメリカの方が離婚率が高いものの、2倍弱の違いしかないように見えます。
これだけ見るとそこまで離婚率が高いようには見えませんが、2014年のアメリカの研究データによると、「初婚の両親と共に暮らす子供の数」は半分以下で、再婚家庭が15%、片親家庭が26%となっています。この数字は日本人にとっては驚きの数字ではないでしょうか。
ニューヨークの家庭
半数以上が「”初婚の両親が揃った家庭で暮らしている子”ではない」というのは俄には信じがたかったのですが、ニューヨークに暮らしているとこの2014年のデータは信憑性があるなと感じます。
学区やクラスにもよると思いますが、たとえば子供たちが通う学校だと2nd gradeでは両親が同居している家庭の割合は50%くらいです。多様な家庭のあり方があり、かつ皆さんオープンなので、子供たちも何の抵抗もなく各家庭の状況を理解しています。
ニューヨークで見た多様な家庭のあり方
離婚
両親が離婚しているという家庭はとても多いです。離婚していると言っても日本のように片親が親権を持つというよりは、共同親権を持つ両親が近くに住んでいて、数日おきもしくは1週間おきに子供がパパとママの家を行き来するパターンが多いです。
もしくは基本的にパパかママのどちらかの家にいて、週末や長期休みだけもう一方の遠くに住んでいる親のもとで過ごすというパターンもあります。いずれにしても両親との交流が頻繁にあるというのが日本と違うところだなと思います。
別居
離婚していないけれど別に住んでいるパターンもあります。離婚を視野に入れているのか単に仕事の都合なのかはわかりませんが、この場合も両親は近くに住んでいて、子供はそれぞれの家を定期的に行き来するようです。
再婚
両親揃っている家庭でも再婚という家庭も結構あります。日本でもあると思いますが、ステップファミリーで連れ子同士が兄弟になっていたり様々なパターンがあります。再婚の上、連れ子を含めた子供全員を連れて離婚しているという家庭もあり驚きました。
ママと彼氏/新しいパパ or パパと彼女/新しいママ
離婚した上でそれぞれに新しいパートナーがいるということも少なくはありません。「パパの奥さん」「ママの彼氏」など日本ではあまり聞かないような呼び方もよくあることです。初めてお友達のパパに「my girlfriend」と紹介されたときは、ただの女友達なのか彼女なのか真剣に悩んだくらいです。
そしてそのパパの彼女やママの彼氏が普通に学校の行事に参加していたりもします。状況を理解するまで、「ママ」なのか「パパの彼女」なのかわからないと混乱していたものです。
シングルマザー/シングルファザー
これは離婚・死別・未婚など様々なパターンがありますが、シングルの家庭も結構あります。離婚していて両親が別々に住んでいる家庭も多いためか、うちの子供たちもプレイデートをしに行ったお家にパパだけもしくはママだけしかいなくても特に違和感がないようです。
パパが2人/ママが2人
日本ではあまり見られないであろうパターンが、パパもしくはママが2人というものです。詳しい事情はわからないものの、パパ2人もしくはママ2人の家庭に子供がいる感じです。LGBTQ+週間などの活動も盛んで街中でもよくLGBTQ+の方を見かけるニューヨークに置いては、さほど驚くほどのものではないのかもしれません。
精子提供
お友達がとても綺麗なので「モデルみたいだね」と言ったところ、「パパがモデルなんだ。と言っても精子提供だけどね。」と言われてそのオープンさにびっくりしました。
養子や精子提供などはきっと日本でもいると思いますが、数が少ないのかオープンにしている方が少ないのか私自身は出会ったことはありませんでしたが、当たり前のようにお友達にいて多様性の文化を改めて実感しています。
まとめ
ニューヨークに来て驚いたのは、様々な家庭のあり方があることだけでなく、みんなとてもオープンだということです。親しくなる前からどんな家庭かなど普通に会話の中に出てきたりします。日本だと両親の話題は特に気にせずに聞くかもしれませんが、こちらでは当たり前ではないので状況がわかるまでは気をつけるようにしています。
離婚やシングル、ましてや離婚した両親の彼氏・彼女がいるとなると、日本だと子供に与える影響など少し偏見を持ってみられることもあるかもしれません。ニューヨークに来て感じるのが、家庭環境関係なくいい子が多いということです。中には陰湿なことをするような子や荒れているような子もいますが、ごく一部ですし家庭環境とも関係ないように感じています。
また、離婚していても定期的に両親と会っているためか、両親との仲が良い子が多いです。両親が元パートナーの悪口を言わない文化というのも大きいのかもしれません。
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