【こどもは「この場所」で襲われる】親としてとても勉強になる本

出産・育児・教育

昔から親は子供に「暗い場所は危ない」「人通りの少ない場所に気をつけなさい」「知らない人について言ってはいけない」と教えますよね。実はこれらが逆に子供を危険にさらすこともあるという内容の本で、小さい子供を持つ親としては大変参考になる内容が書かれています。

子どもは「この場所」で襲われる

ケンブリッジ大学大学院で犯罪学を学んだ防犯のスペシャリストである著者の小宮信夫さんは、「地域安全マップ」の考案者でもある方です。

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この本では、今まで親が子供達に教えてきた「暗い場所は危ない」「人通りの少ない場所に気をつけなさい」「知らない人について言ってはいけない」などの言葉が逆に子供を危険にさらしている可能性があるという目から鱗の内容が書かれています。

子供が犯罪に遭わないようにするにはどう言ったことに気をつければいいのか、納得の内容が満載です。

子供が犯罪に合わないために

「人通りの少ない道・暗い道は危ない」は間違い?

一見当たり前のことに思えますが、子供はこれを聞くと「人が多い場所なら安心」「暗くなければ安心」と思ってしまうそうです。

ニュースでもよく取り上げられていますが。意外にも人通りの多いショッピングモールや昼間の公園などで犯罪が起こっています。

私も小学校1年生の頃に商店街で「一緒に遊園地に行こう」と声をかけられた事があります。周りに人も多かったですがそれゆえあまり気に留められなかったですし、商店街の人とも目が合いましたがニコニコされているだけでした。「行きません」と言っても「なんで?」とついてこられてとても怖かった記憶があります。

この本によると、人が多いところでは雑踏に紛れることもでき、対象者が多くいた方が品定めしやすいので、意外と昼間の人通りが多い場所を選ぶ犯罪者は多いそうです。

「知らない人・不審者に気をつけなさい」も間違い?

子供は公園で2、3言かわしただけでも「知っている人」と認識してしまうそうです。それを利用して、公園で事前に少し会話をしておき、後日犯行に及ぶこともあるそうです。

私も以前まで「知らない人について行ってはだめ」と言っていました。しかしある日、私が下の子を見ている間に娘がお友達と公園からいなくなった事があり、「ママの見えないところに行っちゃダメでしょ?」というと「お友達が知っているお兄ちゃんだったから」と言ったのです。

初めて会ってもお友達が知っていたら「知っている人」になってしまうことに驚きましたが、確かにそうかもしれないとも思いました。改めて「知っている人」の定義について説明をしました。これがお友達が公園でちょっと話した事があって「知っている」と認識している人だったりしたらと思うとゾッとしました。

また、実際に犯罪者は目立たないようにスーツなどの普通の身なりをしている事が多いそうで、「不審者」「変な人」という言葉を使うと、子供にはほとんどの人が大丈夫に見えてしまうそうです。

安全な人か危ない人かという認識を子供と同じにするのは難しいのかもしれませんね。

昼間の公園やショッピングモールも危険?

この本で着目しているのは「人」ではなく「場所」です。人を見分けるのは子供にとって難しいので、場所について「入りやすく」「見えにくい」場所が危ないということを親子で学んでおくことが、子供を犯罪に合わせないためには重要な事だそうです。

例えば同じ公園でも、木々に囲まれている公園は犯罪者にとって出入りがしやすいため犯罪が目撃されにくく、逆にフェンスに囲まれた公園は出入りする場所が決まっていて外からも見えやすいので犯罪が起きにくいということです。

私も普段子供達が遊んでいる公園がフェンスがなく木々が多いので、誰でも入ってこれますしちょっと木の影に入ると目につかなくなってしまいます。

ショッピングモールも同じで、誰でも出入りが簡単なのに死角が多く、安全だと思っていると危険な目に遭う可能性があります。

私も小学5年生の頃、小学校の帰り道友達と別れて1人になった時に車の中から道を聞かれた事があります。昼間でしたし、本当に道に迷っていて困っていると思って近づいてしまいました。結果下半身を露出していて、恐怖で固まって動けなくなってしまいました。今思えば住宅街で誰でも出入りできますが、家に囲まれていて誰からも見えない場所だったと思います。

昼間でも人がいる場所でも、「入りやすく」「見えにくい」場所には近づかないよう、日頃から子供と意識を高めておきたいですね。

防犯ブザーがあれば安心?

今では多くの子が持っている防犯ブザーですが、著者は防犯ブザーに頼ってしまうのも危ないと警鐘を鳴らしています。

めったに鳴らさないため電池切れや故障に気づきにくく、鳴らしてもいたずらだと思われてしまうこともあるからだそうです。

いたずらだと思われないようにふざけてブザーを鳴らさないこと、いざという時にちゃんと使えるようにしっかりと日常的に動作確認をすることを徹底したいですね。

意識の変化

私自身はある程度場所に対する恐怖感もあり、公園でお友達と遊んでいるときに「お友達の輪から1人で離れたらだめ」「木の影などママが見えないところに行かないで」と言ったり、ショッピングセンターでも「棚を挟んで隣の列など見えないところに行かないで」とは説明してきました。

ただ同時に、「変なおじさんに連れて行かれるから1人にならないで」「知らない人にはついていっちゃだめ」とも言っていました。この「変なおじさん」「知らない人」がそもそも子供と私で違うということを再認識しました。

「変」ではないかもしれないし、「おじさん」ではないかもしれないし、「知らない人」も子供にとってはすぐ知っている人になってしまうかもしれないんですね。

子供たちを犯罪から守るためにぜひ手に取ってみて欲しい一冊です。

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