【ミュージアム・アット・エルドリッジ・ストリート】移民の方々が使われていたシナゴーグを修復して造られたミュージアム

ニューヨーク

昔移民の方々が使われていたシナゴーグを長い年月と莫大な費用をかけて美しく修復して造られた「ミュージアム・アット・エルドリッジストリート」。なかなか見る機会のないシナゴーグの内部を見ながら当時に思いを馳せることができる貴重なミュージアムです。

Museum at Eldridge Street(ミュージアム・アット・エルドリッジ・ストリート)

ミュージアム・アット・エルドリッジ・ストリートは、ロウアーイーストサイドのチャイナタウンの中にある教会のような建物です。

昔移民として移り住んだユダヤ人の方々が使われていたシナゴーグを修復してミュージアムにしています。修復には20年もの歳月と2,000万ドルもの費用がかけられたそうです。

ミュージアムを見るには1日に数回行われているツアーに参加する方法と、自分でガイドを見ながら自由に回る方法があるので、どちらかを選んで事前に時間帯で予約をしていきます。

通常15ドルですが、月曜と金曜は自分が払いたい金額で入館することができます。また、カルチャーパスを使えば無料でミュージアム内を見ることができます。

ミュージアム・アット・エルドリッジ・ストリートの様子

ミュージアムの周りはチャイナタウンで、どこをみても中国語の看板が並んでいます。

現在ではチャイナタウンですが、シナゴーグ建設当時から1900年代半ば頃までは、世界最大のユダヤ人コミュニティがあったそうです。

シナゴーグはユダヤ人にとって、宗教的に大切なものであっただけでなく、社会生活や子供の教育の場としても使われていたそうです。

入り口を開けると右側に受付があります。受付の方も守衛の方もとてもフレンドリーな方々でした。

受付の左側から入館し、入り右奥に進むと2階に上がる階段があります。

とても古い建物なので、階段や床は歩くたびに音がします。

今回は時間の関係で自分でオンラインのガイドを見て見学しましたが、こちらのガイドさんはとても知識が豊富だそうなので、お時間が合う方はガイドをしてもらうと色々と教えていただけると思います。

2階に上がると息を呑むような美しい空間が広がります。

壁にはおそらくヘブライ語と思われる文字が刻まれていました。

大きなシャンデリアは当初使われていたものを再利用し、現代に合わせて作り直されたものだそうです。

祭壇も当時の面影を残しています。

建物の両サイドには、ユダヤ教の祭典ハヌカで使用された燭台メノラーが展示されていました。

地域によりメノラーの特徴が異なるそうで、それぞれの地域別にさまざまなメノラーが並んでいました。

写真付きの解説書もあったので、子供と一緒に同じ形のものを探すのも楽しいかもしれませんね。

ユダヤ教徒の方々が当時歩いた床や座った椅子はそのままの形で残されており、その凹みや色味がその当時の様子を想像させてくれます。

こちらも当時使われていた水道です。

階段の彫りとステンドグラスから差し込む光がとてもきれいです。

階段を登ってバルコニー階に向かいます。

バルコニー階部分にも小ぶりなシャンデリアがありますが、こちらは他の装飾とは趣向が異なるため、寄付されたものではないかと言われています。

シナゴーグは2階建てになっており、下の階は男性、上の階は女性と決まっていたそうです。

現代的で美しいこちらのガラス窓。修復をする際に当初のデザインが分からなかったことや歴史を未来につなげていくという意味合いを込めて、新たにデザインをし作り直されたそうです。

こちらはバルコニー階部分にあるローズウィンドウ。

光が差し込むととても美しいので、ぜひ日中に行かれてみてください。

こちらは修復前の様子を知ってもらうために当時の壁が一部残されています。

1階には展示コーナーがあり、ロウアーイーストサイドやシナゴーグの歴史を見ることができます。

当時使われていたものが色々と展示されていました。

こちらはシナゴーグのガラスのデザイン画です。

子供には少し難しそうなミュージアム・アット・エルドリッジ・ストリートですが、人が少なめでゆっくりみて回れ、ガイドも写真が豊富に使われているので、小学生くらいの子であれば学ぶことがあるのではないでしょうか。シナゴーグに入る機会はなかなかないので良い機会になると思います。

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