【ニューヨークと宗教の多様性】

ニューヨーク

様々な人種の方が暮らすニューヨークでは、宗教も多様です。私や子供達の周りにおける宗教の多様性についてご紹介したいと思います。

ニューヨークと宗教

ニューヨークに住む方の主な宗教はキリスト教、ユダヤ教、イスラム教です。古いデータになりますが、Wikipediaによりますと2001年時点では、ローマ・カトリックが40%以上、プロテスタントが30%とキリスト教が大半を占めていました。次いで、無宗派が13%、ユダヤ教が8.4%、イスラム教が3.5%、仏教が1%と続いています。

ニューヨークの友人達の宗教

アメリカというとキリスト教のイメージが強いですが、様々な人種の方が住むニューヨークでは、キリスト教だけでなく、イスラム教、ユダヤ教、ヒンドゥー教など多様な宗教の人がいます。イスラム教、ユダヤ教、ヒンドゥー教などは日本では出会うことも少ないですが、ニューヨークでは友人達が多様な宗教を信仰しています。

キリスト教

キリスト教はやはり多く、マンハッタン内でもセント・パトリック大聖堂をはじめとして、多くの教会を見かけます。

キリスト教の中でも宗派が分かれており、無宗教の日本人からするとその分類は難しく感じることもあります。お友達と話している時に「クリスチャン」という表現をしたところ、「私はカトリック」と言い直されたこともありました。

キリスト教というと日曜には礼拝に行くというイメージでしたが、毎週礼拝に行ったりボランティア活動をしている方もいれば、そこまではしないという方もいます。今まであまり知識がなかったキリスト教ですが、友人を通して今までイベントとして楽しんでいたものに実は意味があったり、これまで知らなかったことも知ることができています。

ニューヨークに住む子達の中には、毎週教会での勉強会のようなものに通っている子たちもいます。とはいえ、子供なので「行きたくない」と言っていたり、親御さんが買ってあげた十字架を「身につけたくない」と言っていたり、国や宗教関係なく子供らしい姿も見られるのが面白いです。

キリスト教徒の友人と話しているときに、「将来的にどの宗教を信じてもいいけれど、何かを信じるというその根底の部分は小さい頃から持っていてほしい」と言っていたのが印象的でした。美術館の美術品でもキリスト教がベースになっているものが多いので、知識はあるに越したことはないと思っています。

ユダヤ教

ニューヨークにいてよく見かけるのがユダヤ教の方々です。マンハッタンでは、ユダヤ教の教会であるシナゴーグもよく見かけます。

敬虔な男性のユダヤ教の方は特徴的な黒い服装や髪型をしており、割とライトな方でも頭にキッパと呼ばれるものを載せているので、ユダヤ教だとわかりやすいということもあると思います。女性でも敬虔な方になると特徴的な服装をしていますが、私の周りにいた友人達は話すまでユダヤ教だとわからないような方が多かったです。

ユダヤ教ではクリスマスではなくハヌカが行われます。ハヌカはクリスマス時期に8日間行われ、8本の蝋燭を立てることができる燭台「メノラー」を用い、毎日1本ずつ蝋燭に火を灯していきます。子供は毎日ちょっとしたプレゼントももらえるそうで、娘はユダヤ教のお友達の話を聞いて羨ましそうにしていました。

イスラム教

ニューヨークに来るまで、ニューヨークにイスラム教の方がいるというイメージがあまりなかったのですが、ヒジャブと呼ばれるスカーフを身につけている方も意外と多いですし、服装ではわからないけれどイスラム教を信仰している方々もいます。多くはありませんが、モスクもあります。

子供達が通う学校ではラマダン(断食)の時期になると、断食をする子に配慮するためのアナウンスがされます。低学年で断食をする子は少ないようですが、高学年になると大人と同じように断食をする子もいるため、ランチの時間帯に別の場所にいられるような配慮等がされているようです。娘の話では、食べなくてもお友達といたいから一緒にカフェテリアにいる子もいるそうです。

クリスマスについてもイスラム教ではお祝いをしません。さまざまな宗教の方がいるので、学校でも宗教が絡むイベントに関しては配慮がされている印象です。

イスラム教はお酒や豚が禁止されていたり、さらにはその加工工程まで決まりがあり、食事の制限が厳しいことでも知られています。しかしニューヨークではイスラム教の教えに則ったハラルフードのベンダーがあちこちにあり、食事に困ることはなさそうです。また、人によって厳格に制限をしている方もいれば、お酒と豚が使われていなければ大丈夫くらいの方もいます。

ヒンドゥー教

ヒンドゥー教は他の宗教に比べて少ない印象ですが、それでも友人達の中にもヒンドゥー教徒の方がいます。見かけたことはないのですが、マンハッタンにもヒンドゥー教の寺院があるそうです。友人は月に1度ほど足を運んでいると言っていました。

日本の学校では、「ヒンドゥー教は牛を食べない」と習いますが、ヒンドゥー教の友人と話していると「基本はそうだけれど、そもそも牛だけでなく肉全般を食べないベジタリアンの人も多いし、牛を食べる人もいるし、人それぞれ」だそうで、一般的なイメージと実際のところには乖離もあるのかなと感じました。

その他

ニューヨークに暮らしている中で「仏教」と公言している方には今のところ出会っていません。おそらくいるとは思うのですが、宗教についてはあえてその話をして知るのではなく、遊びの約束をする時やイベント事の時、食事に関する話をするときなどに知ることが多いので、あまりイベントに関連のない宗教や食事制限のない宗教については知る機会が少ないせいかもしれません。また、無宗教の方もある程度いるのだと思います。

まとめ

ニューヨークにいると、日本にいる時とは比べ物にならないくらいさまざまな宗教の方と出会います。私は恥ずかしながら宗教に関する知識が乏しく、特にユダヤ教に関しては全く知識がありませんでした。学校生活や日常生活を通して色々な宗教や習慣に触れて多様性を知ることができる環境というのは、子供にとっても良いのではないかと思います。

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