【子供の早期英語教育】東大卒の親は早期英語教育はしないって本当?

ニューヨーク駐在・英語

娘の英語教育を考え始めた頃、東大時代の友人たちに子供たちへの英語教育をどうしているか相談したことがあります。その時の答えはみんな揃って「大きくなってからで十分」。果たして本当にそうなのでしょうか。メディアに出ている方々の意見も踏まえて考えました。

メディアで話題となった番組

2017年9月24日に放送された「林先生が驚く初耳学!」で、林修先生が英語の早期教育不要論を唱えたと言うことで話題になりました。「英語ができない親ほど早期教育を支持する」「幼児期は英語よりも思考力を伸ばすべき」とおっしゃっていたそうです。

東大生で英語の早期教育を受けた人はあまりおらず、また東大生が親になった時も論理的思考が必要な教科をしっかりと学んだ東大出身の親にとっては早期英語教育の優先順位が低いと言う主張でした。

東大卒親の子供の早期英語教育への考え

私自身東大出身ですが、大きくなってからだと時間と労力がとてもかかったという自分の経験から、子供は英語を苦労せずに身につけてくれたらと思っています。

でも東大生時代の友達には早期英語教育はしないと言う子が多いです。

私自身は大人になってから英語に苦労したため、娘の英語教育をどうしようかと考えているときに周りの友人達に子供の英語教育について聞いてみました。

東大の英語の授業は本当に難しくて(私だけ?)どんなに頑張っても「良」が限界、下手したら「可」をとっていた私とは対照的に「優」を連発する友人たち。どんなに頭の造りが違うんだろうと感じたことも多々ありました。

帰国子女である子、有名私立中・高出身の子、兄弟全員東大、親や祖父母の代から東大、東大を選んだ理由が家が近かったからという子など、きっと小さい頃から教育熱心だったであろう家庭環境の子が多かったので、てっきり子供にも早期英語教育をしているんだろうと思いましたが、実際は違いました。

みんな揃って自分の子供に早期英語教育はしていないと言うのです。

帰国子女の子達は、「子供の頃海外で過ごして英語ペラペラだったけれど、日本に戻ってきて英語を話す機会がなくなったら使えなくなった。」「発音は良いと言われるし聞き取れるけど、話すのはできなくなった。」と必要な環境にないと衰えていくという経験もあったようで、「本当に必要な時に勉強するので十分。」と言っていました。

有名私立中・高出身の子達も「必要と思った時に学べば十分習得できる」、兄弟や両親が東大ばかりの家庭環境の子や家が近いから東大を選んだと言う子達も「大人になってから必要な時に学んでも十分。」と、みんな口を揃えて必要になった時で良いと言っていました。

メディアに出ている方々の考え

佐藤ママ
「東大理Ⅲに合格した3男1女」の母として有名な「佐藤ママ」も、小さい時に英語に重点を置くことで日本語やその読解力が疎かになってしまう危険性を指摘されています。佐藤ママは、日本語で人間の基礎を作り英語を後で身につけるのが良いとの意見だそうです。

杉山奈津子さん
うつ病を克服し、偏差値29から東大に合格したベストセラー『偏差値29から東大に合格した私の超独学勉強法』の著者としてメディアにもよく出ている杉山奈津子さんも、小さい頃に英語をやってもあまり意味がなく、それどころか早くからやりすぎると弊害が出てしまうと言われていました。親として子供が世界で活躍できるように「英語」と言う武器を与えてあげたいと言う気持ちもわかるが、弊害もあるので、英語は身につける目的がはっきりした時に覚えるのが良いとの意見だそうです。

早期英語教育は必要か?むしろ悪なのか?

東大時代に優秀だった友人たちがみんな口を揃えて「幼少期の早期英語教育は不要」「必要な時に勉強すれば十分」と言っていて驚きました。

意外な回答に驚く一方で、冷静に考えるとそれって逆にいうと優秀な人たちだからそう思うのでは?と思いました。

東大生の中で並だった私からすると、必要な時に始めてそこからかなりの労力と時間をかけてそれなりにはなりましたが、もっとできたらなと思うことも多々ありますし、今のレベルだとしてもここまでの時間と労力をかけずに達することができていたらなと思います。

必要な時に始めて自分で十分だと思えるレベルにいけるのは、地頭のレベルも高く、やる気になればできる優秀な人たちだからではないかなと思います。

また、佐藤ママや杉山奈津子さんのお話はどこに重きを置くかという話ではないでしょうか。おそらく佐藤さんのお子さんたちはとても優秀なので大きくなってから英語を習得しても十分と感じられたのかも知れません。そうであれば小さい頃は勉強や日本語で深めていくことに重きを置いて、大きくなってから英語を習得するのが得策だったのだと思います。普通の家庭では小さい頃からそこまで深く日本語を勉強するわけではないと思うので、普段の生活に英語を取り入れることによって時間が足りなくなったり弊害になることはないのではないでしょうか。

確かに大人になってからでもある程度まではできますし、努力で向上できるのも事実だと思います。しかし英語は日本語と同じように子供の頃なら頭の良し悪し関係なく習得できるものなので、子供の頃に楽しんで英語に慣れ親しめれば大人になってからの時間と労力を少なくできるのではないかと思います。

まとめ

もちろん、英語自体が重要ではなく何を話すかを考えられる思考力が必要となることは間違いないと思います。外資系企業で働いている時、帰国子女やTOEIC満点という子たちも多くいましたが、その子達が仕事ができるかというとまたそれは違う話でした。コミュニケーション力や考える力がある子たちは英語が使えることでさらにレベルアップしている一方で、英語はできるのにコミュニケーションが取れなかったり考えたりできないという子達も少なからずいましたし、日本語的感覚が不足していて社外の方や目上の方との関係がうまく作れないという子もいました。

日本語習得や思考力育成の弊害になる程どっぷり英語に浸かると悪い影響が出るというのも理解できるので、英語が全てではなくツールの1つとしてピアノや水泳を習う感覚で身につけていければいいですね。

考え方は人それぞれなのでどれが正解ということはないですが、私個人としては英語はやはり小さい頃から触れているに越したことはないと思います。ただしそれだけに傾倒するのではなく他のものにも触れて視野を広く持てる環境であること、日本語を疎かにしないこと、人とのコミュニケーションを大切にすること、自分で考えることなども大切にしていきたいなと思います。

また、小さい頃に出来てもブランクがあれば忘れるのもまた事実なので、どう維持していくかも課題ですね。

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