【肌の色】息子の発言を通して気付かされた大人の先入観

ニューヨーク

ニューヨークにはさまざまな肌の色の方がいます。今回息子の学校での発言を通して大人の先入観を再認識させられたので、そのことについて書きたいと思います。

ニューヨークの人々の肌の色

以前ニューヨークに住んでいて感じる肌の色の多様性について書きました。

アメリカでは日本人に比べて肌の色の多様性があるので「肌色」と言ってもいろいろな色があります。クレヨンやファンデーションのバリエーションも多く、とても興味深いです。

息子の発言に見た大人の先入観

ニューヨークの現地校にはICT(Integrated Co-Teaching Class)と呼ばれる特別な支援を必要とする子がいるクラスがあります。日本の支援学級とは異なり、ICTのクラスは支援が必要な子の人数に上限があり、支援が必要な子と通常(言い方は難しいですが支援が必要でない子のことです)の子とが混在したクラスになります。

息子はPreKの時、このICTのクラスにいました。学年が上がるとICTといってもどの子が支援が必要なのか見分けがつきにくくなるのですが、PreKの時は顕著にわかります。息子のクラスで言うと、じっとしていられない子、コミュニケーションを取るのが難しい子、大きな音が苦手な子などさまざまです。

息子はお友達大好きな子でどんな子でも仲良くなれるタイプなのですが、唯一苦手なのが無言で抱きついてくる子で、相手の気持ちを理解するのが難しい子のようで、「離して」といっても離してくれなくて怖いそうです。

ここまでは前置きになりますが、今回先生から息子についての連絡がありました。先生の話によると、息子がそのちょっと苦手なお友達に抱きつかれた時に「黒い手で触らないで」と言ったそうです。PreKということもあり、まだ差別や悪い気持ちから言っているわけではないと思うけれど、良くない言い方であることは注意したとのことでした。そのお友達はインド人の子でした。

私もその連絡を聞いて一番最初に頭をよぎったのが、インド人の子の手を「黒い手」と表現したのではないかということでした。ただ、息子が仲良いグループにいる大好きなお友達にもインド人の子がいること、家では上の子も含め一切肌の色でどうこうという話はしていないこと、「黒い」という表現を教えいてないのに子供が肌の色を「黒」と表現するのかという点に疑問はありました。

息子が家に帰ってきてから、「あなたとママでも手の色は違うよね。いろいろな色があって、どの色が良い悪いというのはないんだよ。お友達に黒い手で触らないでという言い方はしないでね。」と話したところ、息子は「違うよ」と。

息子の話によると、お友達が黒いクレヨンで汚れた手で抱きついてきたから、「黒い手で触らないで」と言ったそうです。「だって体は黒じゃないよ、茶色でしょ。黒はクレヨンで汚れてるってこと。」と。「汚れた手で触らないで」と言えば誤解がなかったかもしれませんが、子供にとってはその違いが分からなかったようで今回の勘違いにつながってしまいました。

「黒い手」と聞いて先生も私も人種による肌の色の違いだと思ってしまった、しかも「黒い手で触らないで」というネガティブな表現を「肌の色に対する差別」だと受け取ってしまったということを通して、改めて大人の中の先入観に気付かされました。

私自身、人が好きで人種や宗教で違った見方をすることはなくそれぞれの違いは尊重すべきものという考え方なので、そんな自分の中の先入観に気づくとともに、こういった小さな積み重ねが逆に子供の中の先入観を作り出してしまうのかもしれないと感じた出来事でした。

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