【海外駐在までの準備】必要な手続き「健康保険」

海外駐在の準備

海外赴任する際、現地で自分や家族が病気になったり怪我をした場合、医療保険がどうなるのか心配ですよね。今回は国内の健康保険の被保険者資格の継続可否や現地での医療費について、備忘録も兼ねて簡単にまとめます。

その他、海外赴任に必要な準備については以下にまとめています。

健康保険

まずは基本の基本「健康保険」とは何でしょうか。日本は国民皆保険制度なので、日本の方なら全員が公的医療保険に加入しています。公的医療保険とは、保険料を支払うことで病気や怪我などで医療費がかかるときに給付等を受けられる制度です。公的医療保険には、大きく分けて「健康保険」と「国民健康保険」があります。このうち、会社に勤める従業員や事業者が加入するのが「健康保険」です。大企業では各会社の「健康保険組合」があり、中小企業では独立行政法人が運営する「協会けんぽ」に加入していることが多いです。

ちなみに国健康保険は、健康保険やその他の公的医療保険に加入していない場合に加入する保険で、市区町村などが保険者となります。今回は海外赴任の場合についてのお話なので、健康保険についてまとめたいと思います。

健康保険の被保険者資格の継続

健康保険の被保険者資格の継続については、以下の2点によって異なってきます。

  • 出向元の日本企業との雇用関係があるか
  • 給与の支払い元が日本企業か現地企業か

被保険者資格が継続する場合

出向元の日本企業に在籍したまま海外で勤務し、給与が出向元の日本企業から支払われていれば、健康保険などの被保険者資格は継続されます。この場合当然保険料の負担も継続しますが、今までと同様国内での保険診療を受けることができます。また、海外で発生した医療費は「海外療養費の支給申請」をすることで、後日日本に請求できます。ただし、以下の点に注意が必要です。

  • 払い戻しは日本での医療費の水準をもとに算出され、その額の7割となる(アメリカなどの治療費が高額な国の場合などは注意が必要)
  • 日本で保険適用となっていない薬剤投与や医療行為が行われた場合は給付対象外となる
  • 日本に請求するまでは一旦全額自己負担する必要がある
  • 申請時に翻訳が必要など手続きが煩雑

ちなみに、海外療養費の支給申請に必要な書類は基本的に以下となります。その他健康保険組合によって、パスポートやビザなど追加で必要な書類がある場合もあります。

  1. 療養費支給申請書
  2. 診療内容明細書
  3. 領収明細書
  4. 領収書(原本・翻訳文)

海外旅行保険・現地の医療保険への加入

上記のようなリスクを軽減するためにも、多くの会社では海外旅行保険や現地の医療保険に会社が加入してくれるようです。海外旅行保険は日本語対応していて便利な点もある一方、多くの場合妊娠や歯科治療など適応外の治療もある点に注意が必要です。また、現地の医療保険であれば、現地の実情に即したものになっているので使いやすいですが、海外旅行保険のような24時間日本語サービス等はついていないので、ある程度の不便さも受け入れる必要はあります。

被保険者資格が喪失する場合

出向元の日本企業から給料が支払われない場合は社会保険資格の継続は難しいため、国内では本人も扶養家族も保険診療を受けることができません。全額自費負担になりますので、扶養になっている配偶者やお子さんが同行しない場合は注意が必要です。対処方法としては、以下のいずれかになります。

  • 健康保険の被保険者資格喪失日から20日以内に「任意継続被保険者」の手続きを行う
  • 「国民健康保険」に加入する(ただし住民票がない場合は不可)

まとめ

健康保険の対処方法については、会社が主体で行ってくれることが多く、特段個人で手続きをすることはないかと思いますが、基本的なルールを把握しておくと安心ですね。ただし、被保険者資格が喪失する場合には、「任意継続被保険者」や「国民健康保険」などの手続きが必要になってくる可能性もあるので、ご注意ください。

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