【海外赴任の可能性がある時の住宅購入】メリット・デメリットは?

ニューヨーク駐在・英語

自宅を購入して入居前に海外赴任になる場合、自宅があるメリットがある一方多くのデメリットがあります。知らないと購入してから慌てることになるので、把握した上で納得して購入したいですね。

海外赴任の可能性があって住宅を購入するメリット・デメリット

メリット

メリットは主に帰国時の「安心感」です。海外赴任前に住むことができれば、陰性証明書の取得のため検査して万が一陽性になってしまった時に住む場所が無くならなくて済むというメリットもあります。

帰国時に遠隔で住居を探す必要がない

海外赴任から本帰国する際、どうしても遠隔で住居を探す必要が出てきますよね。土地勘があればなんとなくは分かるものの、写真やビデオでは実際の間取りの雰囲気や詳細なところまでは分かりにくいのが難点となります。

また、帰国直前のバタバタした状況で遠隔で住居を探すのはストレスにもなります。事前に購入していればそこに戻るだけなので安心です。

帰国時に同じ小学校に通える

海外赴任前に小学校に通っている場合、そこでできたお友達やママ友のつながりがありますよね。帰国時にも同じ小学校に通えた方が子供のストレスも少なく、学校の情報もママ友から得られるので助かります。

しかし、帰国時に同じ学区に家族が住める広さの賃貸の空きがあるかは分かりません。

事前に持ち家を購入しておけば、確実に同じ学区に戻ってくることができます。

気に入った立地・間取りの物件に住める

帰国時に住居を選ぶと、その時ある限られた選択肢の中から選ぶことになりますが、事前に気に入った立地・間取りの物件を購入しておけば安心ですね。

帰国時賃貸にかかるお金をローンに回せる

賃貸は意外と割高なので、いずれ持ち家を購入するのであれば賃貸にかけるお金をローンに回したほうが良いと思われる方もいらっしゃると思います。実際一例として、ローン・管理費・修繕維持費で月13万円くらいのところを借りるのに19万円くらい払わなくてはいけないので、だいぶ勿体無い印象です。

デメリット

子供の小学校学区内に気に入った立地・間取りの新築物件があったため購入を検討しました。ある程度のデメリットはあるだろうなと思っていましたが、色々調べていく中で予想以上に難点が出てきました。

手続き時に一時帰国する必要がある?

マンションの購入時、立ち合いが必要な手続きが主に以下のものです。

  • 重要事項説明・契約
  • オプション展示・販売会
  • ローンの申し込み
  • 入居説明会
  • 内覧会
  • 鍵の引き渡し

出国時期や各手続きがオンラインで対応可能かにもよりますが、我が家の場合契約後に出国する可能性が高く、その場合にはいくつか注意が必要な点がありました。

オプション
オプションについては諦める必要がありますが、こちらについてはあまりこだわりがなかったのと、後々自分たちでリーズナブルに注文することもできるので我が家としては問題ではありませんでした。

ローン申し込み
住宅ローンを利用する場合、通常居住用の住居にのみローンが適用されるので、海外にいるとローンが組めない可能性があります。銀行によっては対応可能なところもあるようで、相談することでローンを組めるようになる可能性はあります。

入居説明会
入居に必要な手続きとして、銀行や司法書士からの説明を受けて手続きをします。こちらはオンラインでも対応しているところもあるようです。

内覧会
実際の部屋を確認して傷や汚れ、オプション・カラーセレクトなどの確認をします。我が家も1軒目を購入した際に内覧会をしていますが、意外と気になるところがあったのでここを省くのはリスクがあります。こちらについては立ち合いが必要になりますが、代行業者もあるのでそちらを検討する手もあります。

鍵の引き渡し
最終的な手続きとして鍵の引き渡しがあります。こちらも対面でする必要がありますが、印鑑があれば親戚など代理の方でも対応可能です。

それ以降も以下のような手続きがあるので、立会いの必要性を確認しておくことをお勧めします。

管理費・修繕費の支払い手続き
マンションの管理費や修繕費などの支払い手続きも遠隔で可能であるかを事前に確認していた方が良いです。

電気・水道の契約・立ち合い
空き家にする場合、空き家管理をお願いすることになるので、水道や電気の契約が必要になります。こちらがオンラインや代理で可能かを確認しておく必要があります。

管理代行業者の契約
定期的に自宅を管理してくれる業者との契約が遠隔でできるかも確認が必要です。

定期的な管理が必要?

空き家にしていると家が傷んでしまう可能性があるので、月に1〜2回は風通しや通水確認などをした方が良いです。

親戚などが近くにいて対応してもらえる場合は問題ありませんが、いない場合でも月1〜2万円ほどで業者に委託することができます。

住んでいないのに維持費がかかる?

居住していなくても、固定資産税、管理費・修繕費、光熱費、空き家管理費など意外と維持費がかかります。

駐車場を確保しておきたい場合は駐車場代もかかります。

住宅ローン控除を全く受けられない?

一番想定外だったのがこちらです。ローン控除は一定の基準を満たした場合にのみ受けられます。そのため購入時期によっては控除を受けられません。金額が大きいのでこちらが一番影響が多いように思います。

住宅ローン控除(住宅借入金等特別控除)

適用要件

国税庁のホームページに記載されている住宅借入金等特別控除の適用条件のうち、海外赴任時に一番影響を受けるのは以下の条件です。

  • 新築又は取得の日から6か月以内に居住の用に供し、適用を受ける各年の12月31日まで引き続いて住んでいること。

住宅の引き渡しから6ヶ月以内に住民票を移して住み、控除の適用を受ける各年の年末まで住み続けていることが必要条件となります。そのため、購入時きと入居時期によっては住宅ローン控除を一部もしくは全額受けることができなくなってしまいます。

住宅ローン控除には転勤によりやむなく住むことができなくなった場合について特例が定められています。転勤の状況別では以下のようになっています。

転勤に伴う特例

転勤する場合についても国税庁のホームページに記載があります。

上記のように、通常なら住宅の引き渡しから6ヶ月以内に住民票を移して住み、控除の適用を受ける各年の年末まで住み続けていることがローン控除の必要条件となります。

しかし、転勤等のやむを得ない事情によって6ヶ月以内に住むことができない場合や、年末まで住み続けることができない場合もあります。そのような場合でも、以下のような一定の要件を満たせば住宅ローン控除の適用を受けることができます。平成28年3月31日以前か4月1日以降かにより条件が異なりますが、今回は平成28年4月1日以降のことについて書きたいと思います。

単身赴任の場合:

  1. 住居の取得日から6ヶ月以内に家族が入居して住み続け、単身赴任が解消した後ローンを組んだ人が一緒に住む場合、控除が受けられます。海外転勤による単身赴任の場合も先述の条件で適用は受けられますが、総合課税の対象となる国内源泉所得がある年分に限られます。

帯同する場合:

  1. 住宅借入金等特別控除等の適用を受けた後に家族で海外赴任に帯同する場合、一旦適用は受けられなくなりますが、一定の手続きをしておけば、帰国後再度居住した際に残存控除期間の間再適用を受けることができます。
  2. 居住の用に供した日の属する年の12月31日までに家族と共にその家屋を居住の用に供しなくなった場合、一定の手続きをしておけば、帰国後再度居住した際に残存控除期間の間再適用を受けることができます。ただし住居の取得日から6ヶ月以内に入居していたという条件が必要となります。

住宅借入金等特別控除等の控除期間は延長されませんので、再び居住の用に供した場合で住宅借入金等特別控除等の適用又は再適用を受けることができるのは、残存控除期間がある場合に限ります。

届出等についても国税庁のホームページに載っています。

家を取得してから6ヶ月以内に住み始められない場合:

今回我が家は取得してから6ヶ月以内に入居できない可能性が高く、そうなると住宅借入金等特別控除の適用外となってしまいます。これは額が大きいので影響が大きいですね。

まとめ

海外赴任に際して持ち家を購入するとメリットもある一方で、デメリットが思った以上にあります。維持費がかかるだけでなく、住み始める日によっては住宅ローン控除を受けられず、数百万円単位で損をしてしまいます。

出国前に少しでも居住できる時期に入居できれば、維持費はかかりますがその他の損が少なく住みます。また、陰性証明書が必要な国に海外赴任する場合、賃貸だと万が一出国直前の検査で陽性が出てしまうと、荷物も自宅もないという厳しい状況になるため、そういった意味でも持ち家を持っているというのは安心材料になるのではないでしょうか。

以前の持ち家は、維持管理に係る手間とお金が無駄だと思い売却しました。購入時より高く売れたので売却自体は後悔していませんが、新型コロナウイルスの影響で海外赴任が延期になり賃貸を借りなくてはならなくなったり引っ越したりと色々大変な思いをしたので、持ち家を管理したまま海外赴任に備えるのもありだなと思うようになりました。帰ってきた時に同じ環境で過ごせるというのも心強いですしね。

海外赴任前の住宅購入はメリットもありますが意外なデメリットも多かったので、しっかりと検討しておきたいですね。

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