近年注目度が増してきた新型出生前診断(NIPT)。採血のみで胎児や母体に影響がほとんどないことから検査を受ける方も多くなってきています。しかし、センシティブな問題だけに、なかなかこの検査を受けたと周りから聞くこともないのではないでしょうか。実際の経験をもとに、検査の流れ、心づもり、リスク、費用などについて書いています。検査可能な期間も限られるので、気になる場合は事前に把握されておくことも重要です。
血液検査により胎児の先天異常の可能性の有無を調べる検査
血液検査により胎児の先天異常の可能性の有無を調べる検査には、従来行われてきた「クアトロテスト」や近年増えてきた「NIPT」などがあります。
血液のみで検査できるため母体や胎児へのリスクは少ないですが、確定診断には羊水検査が必要になります。また、羊水検査を受けることを考えると検査が受けられる時期も限られるため注意が必要です。
コウノドリ23巻でもNIPTについての話がありますね。軽い気持ちではなくしっかりと考えた上で受けたい検査です。
クアトロテスト
血液検査により胎児の先天異常の可能性の有無を調べる検査として従来行われてきたのが「クアトロテスト」です。
- 費用:約25,000円
- 検査可能な時期:妊娠15週頃〜
- 結果が出るまでの期間:約2週間
クアトロテストは、採血のみで行える母体や胎児へのリスクが少ない検査で、以下の先天異常の可能性について知ることができます。
- ダウン症候群(21トリソミー)
- 18トリソミー
- 開放性神経管奇形(二分脊椎症、無脳症)
「陽性・陰性」というような明確な診断結果は得られず、各先天異常について「○分の1」というような確率を表す数字で結果が出ます。
血清マーカーや年齢などを加味した数値のため、年齢が上がるほど確率は上がります。そのため、明確にどの数字以下であれば陰性というように明確に判断することができません。
確定診断をするためには羊水検査等をする必要がありますが、羊水検査を受けるかどうかの判断が非常に難しい検査だとも言えます。
新型出生前診断(NIPT)
新型出生前診断も採血のみで母体や胎児への影響が少ない検査です。
- 費用:約200,000円
- 検査可能な時期:妊娠10週頃〜
- 結果が出るまでの期間:約2週間
新型出生前診断では以下の先天異常の可能性を知ることができます。
- ダウン症候群(21トリソミー)
- 18トリソミー
- 13トリソミー
明確に陽性・陰性と結果が出ること、陽性と結果が出た場合確定診断として羊水検査が必要となること、その後のサポートの必要性などから、日本医学会が認定した施設で行うことを基本とされています。検査を受けるための基準として、年齢や過去にトリソミーの子を出産した経験などの制限もあります。
日本医学会が認定した施設の数は少なく、検査を受ける基準もあるため、近年いろいろな検査施設で検査を受けられるようになってきています。費用も7万円程度〜とまちまちで、カウンセリングの有無も施設によって異なります。
対象年齢に該当しない方が検査を受けたい場合こういった施設で検査を受けるのも選択肢の1つですが、検査を受ける目的、結果が出た後にどうするかをしっかりと考えた上で検査を受けられることをお勧めします。
私が受けたクアトロテストとNIPTの経験談
第一子:クアトロテスト
先天異常について気にはなっていたものの、知識が全くなかった第一子妊娠時。妊娠14週目くらいに先生に検査の相談をしたところ、NIPTを受けられる施設は限られていること、この週数では既に予約が取れないこと、年齢的にも適応されないだろうことを説明されました。
そこで一般的だったクアトロテストを受けました。
事前説明
事前に検査方法や陽性・陰性が明確に出るテストではないことなどの説明を受け、検査の予約を取りました。
検査当日
検査当日は必要事項を記入して採血をするだけで終わりました。
結果
2週間後に結果を聞きに来院し、各項目について「2,500分の1」というような数字が書かれている結果の紙をいただきました。
私の場合数値的にかなり確率が低かったのでこれで終わりとしましたが、もし確率が高かった場合どの程度の数字で羊水検査を受けるかなどの判断は難しいだろうなと感じました。
羊水検査を受ける場合期限もあるので、事前にもっとしっかり考えて検査を受けるべきだったというのが反省点でした。また、なんとなくの安心感は得られますが、確実なことは言えないので受ける意味がどの程度あるのかという印象でもありました。
第二子:NIPT
第一子の時は安心のためと軽い気持ちで受けてしまった検査でしたが、しっかりと考えてから受けるべきであるものであることを実感しました。
第二子妊娠時はトラブルが続いたこともあり、何か問題があるなら可能性を知っておきたいと思い検査を受けようと思っていました。(第二子妊娠時のトラブルについてはこちらに書いています。)
第一子の時、クアトロテストではあまり明確な結果が出ないこと、検査できる病院や期間が限られていることを知ったため、第二子の時には早めに相談を始めました。
予約
通院していた病院の本部がNIPTの日本医学会の認定を受けた病院だったため、主治医の先生から予約を入れてもらいました。年齢や過去の出産歴による基準もあるため、主治医の先生を通して予約してもらうのが一般的なようです。
カウンセリング
夫婦にとって重要な話であるため、夫婦で来院をすることが必要でした。検査の結果によっては重い判断が必要となるため、検査の内容や検査の対象となる疾患について丁寧に説明をしてくださいました。陽性になった場合羊水検査が必要になることや、羊水検査で陽性が確定した場合どうするかまで事前に考えておく必要があることなどについてもお話がありました。
検査当日
検査当日は必要なものを記入して採血をしました。
結果
結果も夫婦で聞きに行きます。結果として陰性でしたが、結果を聞くまでに夫婦でしっかりと話し合っておくことが重要だと思います。正直にいうと最初は陽性なら難しいなと考えていたのですが、結果を聞く日が近づくにつれ迷いが生じて何回か話し合いを繰り返しました。夫婦として意見を一致させておくことは大切ですね。
友人の例
友人は検査対象に該当しなかったため、検査施設でNIPTを受けました。
費用は認定病院と変わらない20万円程度だったそうですが、トリソミー以外の陰性・陽性以外に性別なども教えてもらえたそうです。認定病院では性別での選択などを行わないためにもトリソミー以外の情報は検査されません。
検査をしたいと考えているものの年齢などに該当しない場合、こういった検査施設を利用されるのも1つの選択肢ではないかと思います。その際にはカウンセリングなどがしっかりしている施設を選ばれることをお勧めします。
第一子、第二子を無痛分娩で産んだときの経験についても書いていますので、よろしければご覧ください。
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