【駐在妻の悩み】兼業主婦から専業主婦になって見えた新しい世界

ニューヨーク

外資系企業で働く「兼業主婦」から、主人の海外赴任をきっかけに「専業主婦」になりました。今まで自分に一番合っていると思っていた「兼業主婦」と人生設計に全くなかった「専業主婦」。それぞれに良いところがあり、今まで知らなかった世界も見ることができ、どちらが良いのか悩む日々を送っています。

兼業主婦

働いていたころは、「仕事をしながら育児もするのは大変でしょう?」とよく言われましたが、私はむしろ育休の時より仕事をしている方が気分的に楽だったので、子供の性質や仕事の内容・職場環境にもよるのかなと思っていました。

私が働いていた外資系企業は、新卒から勤めていたこともありとても理解があったので、朝早くから出勤して保育園のお迎えに間に合うように早めに帰宅するスタイルをとることができました。主人の理解もあったので、朝は主人が全てして保育園に送って行き、私が早めに帰って迎えに行っていました。帰宅後に仕事をしなくてはいけないことも時々ありましたが、基本会社で片付けてこられる感じでした。

そして我が家の第一子は、お昼寝含めて一日中抱っこしていないといけない甘えん坊だったので、育休中は体がバキバキ、自分の時間は皆無、そしてその中で家事もしなくてはいけないという大変さでした。夜もちょっとした物音で起きてしまう繊細な子で、しっかり眠ることもできませんでした。仕事の時間でも通勤時間でもいいから少しでも自分の時間が欲しいという気持ちが強かったです。

当時は、職場環境の良さと子育ての大変さから、早く職場に復帰したいと思っていました。

友人の奥さんたちが結婚を機に専業主婦になる方が多く、嫌味ではなく本気で「すごいなぁ。なんであえて大変でお金がもらえない方を選ぶんだろう。」と思っていました。子供のことをしっかり見られるというのは分かっていましたが、保育園でもよく見てくれていて刺激もあるし、世帯収入も増えて子供がやりたいことに惜しみなくお金を出してあげられ、当時はむしろそちらが良いと思っていました。

職場復帰してからは早朝に起きて通勤するという大変さはありましたが、通勤時間は自分の好きなことができました。仕事を終えてからは保育園に早めにお迎えに行くことができるため、自宅に帰ってからは娘と一緒に過ごすことができ、自分や娘にとってはいい時間の使い方ができているなと思っていました。甘えん坊の娘を見ながら夜ご飯を作ったりお風呂に入ったり大変な面もありましたが、一日中ではないこともあって、育休中に比べて精神的余裕が生まれました。

仕事をしていると一緒に働いている人に必要とされる充実感、やったことが人の役に立つと言う充実感があり、さらに職場の同僚や友人もいて楽しく、ご飯もゆっくり食べられるなんて最高だなと思っていました。

また、保育園で娘がしっかりと成長してくれていたことから、専業主婦の方が子供のために良いと言う意見があまり理解できませんでした。当時は「兼業主婦の生活が私に合っていて一番良い」と疑う余地もなく、私には一日中家で子供の相手をするのも向いていないし、家事を完璧にするのも無理だから兼業が一番あっていると思っていたのです。

専業主婦

第二子が生まれた後も、もちろん職場復帰するつもりで過ごしていました。

2人の子供見ながら仕事をするのは大変だろうなと思う反面、上の子もしっかりしてきたのでなんの迷いもなく復帰するつもりでした。何より一日中家にいるという生活がずっと続くということが想像もできませんでした。

そんな時、突然主人の海外赴任の話が出て、私は仕事を辞めることになってしまいました。

下の子の性格が穏やかで抱っこ魔でもなかったので、子育て自体は楽しさが優っていて、「このままもう少し家で子供たちを見ているのもいいなぁ」と思ったりもしていました。とはいえ、仕事が好きだったので、まさか自分が専業主婦になるとは思いませんでした。当時は日本に帰国した時に仕事に復帰できるのかという不安や焦りもありました。

一方で、意図せず専業主婦になったことで自分の中で全く想像していなかった別の世界も見ることができています。それにより今までの「日本に戻ったら絶対復職したい」という気持ちから、どちらにしようか決めきれないという迷いが出てきています。

兼業主婦だったときは「子供は保育園でお友達と遊べるし、自分の時間もあるし、家にいる時には子供としっかり一緒に過ごす時間もあるし、最高!」と思っていました。しかし、上の子が小学生になって、働いているママたちが「家に帰ってからは子供の話を聞く時間もないほどバタバタだよ」と話していて、子供の成長と共に時間が足りなくなるのかもしれないなと思い始めました。ちょうどその時期私は専業主婦になっていたこともあり、習い事にも連れて行けるし、お友達と遊ぶ時間も取れる、そして子供の成長をそばで見られることのありがたさを感じていました。

夏休みも子供がチャレンジしたいと言ったことにじっくりと時間をかけて一緒に挑戦してあげられました。自分で考えて色々と取り組み、それをどうやるか一緒に考え、じっくりと取り組んで完成した時の子供の達成感や充実感は他には変えられないものがありました。たくさんのものに取り組みましたが、その中で賞をいただいたものもあり、自信につながったようです。

コロナ禍でオンライン授業になった時もプラスアルファのサポートができ、子供のチャンスを広げてあげるための時間が持てるのだなと思いました。

当時はまだいずれ復職するつもりでいましたが、今後、挑戦することの難易度が上がったり、習い事や勉強に取られる時間が増えた時に働きながら自分が十分と思えるサポートをしてあげられるのか、悩み始めた時期でもありました。

在宅勤務が広がってきて以前よりはできることは増えていると思いますが、実際に兼業主婦と専業主婦の両方を経験してみて、全く同じようにはできないなと感じています。正直自分の特性的には仕事をしている方が向いているけれど、一度この世界を知ってしまったらそのサポートができないことにも迷いを感じてしまっています。

よく言われる「専業主婦の社会からの孤立」についてですが、保育園でママ友がみんな働いているところから専業主婦になった瞬間は、一緒に遊ぶ人もいないし寂しいなという感じでした。でもしばらくしたら幼稚園ママのお友達ができたり、毎日誰かと過ごしているわけではないけれど、ほどよく人とのつながりもあり、孤立感はあまりありませんでした。

ただ一方で、やはり仕事をしていた時のような自分がやっていることに対する充実感は得にくく、そこは常に悩みの種にはなっています。仕事にやりがいを感じていた方だと、そこはしばらく(ずっと?)モヤモヤしてしまう部分なのかもしれません。

まとめ

今まで自分の中で努力してきた気持ちがあるので、仕事をやめるときはそれを全て捨ててしまうような複雑な気持ちでした。でも専業主婦を経験したことにより、自分が得てきたものを子供がチャレンジしたいなと思ったことやそのきっかけになることに生かすこともできるかもしれないと思うようになりました。

自分のこれからの人生の時間を子供の成長に使うか自分の成長に使うか、両立できる方法はないか、悩んでいる日々です。どちらが良いかは人によって違うけれど、少なくとも自分にとっては以前は見えなかった世界を見ることができ、考え方に広がりが出ました。今まではその選択肢がなかったので存在すら想像しなかった子供のサポートを経験し、このサポートが同じようにはできなくなってしまうことを考えると復職自体するのかを悩んでいます。

その一方で働いていた時と比べて世帯収入が半分になるため、子供の選択肢にも影響する可能性はないとはいえないかなと思っています。また働いていないと「社会の役に立っている」「自分がした成果はこれ」という実感が少なく、そこに不安感や物足りなさを感じてしまっているのも事実です。

子供が学校に行っている間だけ働けてそれなりの収入とやりがいがあれば最高なのになと夢のようなことを考えてしまいます。両方の世界を知ってしまったが故にどちらも選択しきれない迷いが出てきて、未だ解決に至っていませんが、少なくとも今まで知らなかった世界を知れたのはよかったかなと思っています。

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